読書の思い出

例えば、評論家の立花隆氏には「僕はこんな本を読んできた」という著作がある。

読書の経歴ではなく、こんな読書をしてきたという思い出を取り上げたいと思う。

大学院時代の読書

大学院の2年間、大学の図書館を自由に使えたので、私は入学式が終わるとすぐに図書館に入っていた。

教育学部だから教育の本が充実にしているのは当たり前だが、音楽科の学生もいるので、音楽の棚も充実している。

かねてから読みたいと思っていたのが、大西忠治氏の著作である。全集の棚をのぞくと、大西忠治全集がそろっているではないか。しかも、ほとんど借りられている様子がない。

私は、おもしろそうな巻から読み始めた。向山洋一、齋藤喜博らの「出口論争」を読んで、興奮したりがっかりしたりしていた。また大西が何を考えていたのか、何を目指そうとしていたのか、考えさせられた。

埼玉からきた国語の先生に図書館でたまたま会って

「大西忠治を読んでいるんだ」

と話したら

「誰?おもしろいの?」

と聞かれたので

「おもしろいよ」

と宣伝した。

次に会ったときに

「大西忠治っておもしろいよね」

と言われたのでびっくりした。

「全生研」の中で「学習集団づくり」を中学校で行い、注目を浴びた人。

特に、大西が目指した「学習集団づくり」に私は共感するところが多い。

法則化が「ポロ班の実践」と言って、大西らの学習集団づくりを批判した。

中学校の先生が

「教科だけやっている子どもたちのつながりの中で、『学び合い』の実践は難しい」

とお考えなら、大西が国語を通して「学習集団をつくる」という実践した記録は得るところが多いと思う。

私は、職員図書のコーナーでほこりをかぶった大西の著作を少なからず発見して密かに読んでいた。

どうせ誰も読まないから。

 

次に活用したのが、芸術関係の棚である。

音楽関係の本は高い。読みたいと思っていた本でもなかなか手が出ない。

それが自由に読める。

マエストロの自伝、ストラディバリの話など、音楽にまつわる話はつきない。

これは、研究とは全く別の楽しみであった。

M2になった頃から、読む時間がなくなった。

当たり前の話である。

 

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